システム思考の基本 〜仕組みや関係性を理解する方法〜
こんにちは!
今回は「システム思考」という物事の考え方を紹介します。
困っていることや仕事の悩みを解消するのに役立つかもしれません。
基本のみ書くので、すでに概要を把握できているなら「学習する組織」や「アジャイル開発」での使われ方を調べてみるとより理解が深まると思います。
はじめに
みなさんは現状を理解することが重要な仕事をされていたりしませんか?
今ある業務の理解、システム連携の理解、ステークホルダーとの関係性の理解、課題の原因調査、など。
なにかを理解し深掘りしたいとき、あれこれ資料を見たり人から話しを聞いたりしてもなかなか上手くいきませんよね。
システム思考はそれらを上手く解決する手助けとなるはずです。
例えば、
- ごちゃごちゃしていた考えが、まとまる
- 理解が難しい事象が、素早く正しく理解できる
- 説明が難しい話を伝えるにあたって、わかりやすいく図式化できる
など。
基本はシンプル。覚えるのはノードとリンクの2つだけ
システム思考の良さは、やり方のシンプルさ。
覚えることは2つ。「ノード」と「リンク」だけ。
ノードとは出来事や物事といった概念。
付箋や円の中に字を書いたり、簡単な絵で表現したりします。
リンクはノードとノードの関係性を示すもの。
ある出来事(①)が別の出来事(②)を誘発したり、①と②の間に順番があるなら①→②のように書きます。
例として、会社員の1日をシステム思考で雑に分解してみます。
シンプルですよね?
みなさんも登場する物事とその関連をシステム思考で可視化してみましょう。
この例では「流れ」をシステム思考で可視化しましたが、課題の分析にも活かせます。原因の深掘りなど。
例えば、寝不足の原因分析。
可視化する途中でそれぞれの関わり方やどのような影響を与えているのか、どうしたらよくなるのかが見えてくる。かもしれません。
活用例
システム思考はやり方がシンプルなので、色々な場面で試せます。
私が良く使うケースは、大別すると部分最適化と全体最適化の場面。
課題の深掘り(部分最適化の例)
部分最適化では、具体的に絞った課題を深掘りし、改善点を探ります。
例えば、「ブログを書くのが不慣れで文章を書くのに時間がかかる→発信が少なくなる→不慣れが続く→時間がかかり続ける→コスパが悪い」
と分析していき、次にその解決を考えます。
「発信回数を上げる←ネタを簡素化する←書きやすいテーマや内容(初心者向けや、基本のやり方)に絞る」
システムの理解(全体最適化の例)
全体最適化では、全容を把握できていないことの物事とそれぞれの関係性を探ります。
次に、検証しつつ全体をなんとなく理解し、改善点を探ります。
「eコマースの登場で遠くにあるものをスマホで買える→遠くにあるものを買う量が増える→物流が増える→物流のキャパシティを超える←届くまでの手数と時間が多い←移動時間が長くかつ不在時はやり直しが必要←共働き世帯が増えたので不在時間帯が長く受け取れない」
と分析して、次はその解決を考えます。
「→物流の流通を自動化、コスパが見合う近場の倉庫に在庫、時間帯指定配達、人員増や社会インフラ整備」
アジャイル開発や学習する組織での使われ方
アジャイル開発のふりかえりでは、どう改善すればよさそうか議論することがあります。
人の仕事において、相関や因果関係を探るのは難しい。
顕在化した課題を話し合うだけではなく、発生メカニズムを解明することで最適化がはかれます。
学習する組織においては、因果関係を探り、物事のメカニズムを把握します。
負のサイクルが起きている事象に対して、適切な対応やプロセスを足したり引いたりすることで、負のサイクルが正のサイクルになります。
おわりに
システム思考自体は非常にシンプル。
まずはなにか1つシステム思考で分解してみてください。練習大事。
次に解決したい物事の構造をシステム思考で理解してみましょう。
注意点
実は、システム思考は色々な考え方が存在しています。
今回はもっともシンプルなシステム思考を紹介してみました。
Wikipediaを見ればわかるかもしれませんが、今回紹介したことよりも複雑な考え方が多い。
もしシステム思考をもっと使いこなしたいのであれば、ぜひ深掘りしてみてください。