エンジニアマネージャーのつぶやき

雑記。主に人材開発とか。

公私混同でのレトロスペクティブ(ふりかえり)のすすめ

こんにちは!

 

みなさんはレトロスペクティブ(ふりかえり)をしてますか?

「ふりかえり」を知らいない方はぐぐってみてくださいね。

 

ざっくりと言えば「作業を止め、過去や実績を見つめ直し、作業改善のための手立てを考えること」。

 

詳しくは知らなくても、日記や家計簿、普段の仕事で「ふりかえり」をしてる人は結構いるかもしれませんね。

アジャイル開発におけるレトロスペクティブはチームですると思いますが、1人でふりかえりすることは内省やリフレクションと呼ぶこともある1つの手法です。

 

仕事をバリバリやってる方、

目の前のタスクに追われてる方、

モヤモヤして何をすればよいかわからない方、

各々状況は違うと思います。

ずーっとそのまま走り続けるのは大変でしょうし、一度足を止めて「このままで良いんだっけ?」「もっと良くできないか?」「何ができそうかな?」と自らに問いかけてみて欲しい。

 

ということで、

今回は人生がもっとHappyになるヒントとなるよう、ふりかえりを紹介します!

 

※すぐ始めたい方は「なぜふりかえりが必要なのか」はすっ飛ばしてください 👻

 

 

なぜふりかえりが必要なのか

ふりかえりすることで、経験から得られる利益を最大化できる可能性があります。

今を超えて学びや成長を促すため、ふりかえりのポイントを3つ紹介します。

 

大抵の方は座って勉強したことよりも経験したことの方が理解できますし、経験したからこそ改善する手立てを考えられます。ときには大前提からの改善が必要かもしれませんが。

限りある人生の中でせっかく経験できたことは味わい尽くしましょう 👍

 

ポイント① 多くの人は経験したことほど理解できる

勉強熱心な方や、社内研修で寝そうになった方は共感いただけるんじゃないでしょうか?

座学でいくら資料を見ても、話を聞いても、すぐには理解できないという経験則。

それと比較して、人と議論したこと、実際に手を動かしたこと、誰かに説明したことは良く理解できてたりする。

統計的にもこの傾向はあり、詳しく知りたい方はラーニングピラミッドで調べてみると良いと思います。

Learning Pyramid

Learning Pyramid | [Ed. Note: This image, "The Learning Pyra… | Flickr

 

ポイント② 経験したからこそ改善する手立てを考えられる

経験したことはピンポイントであればあるほど、学びが多いです。

具体的な経験から学び(特に抽象的概念として多くの場面に適用できるような学び)を得ることで、改善の手立てを考えていけます。

経験する前と同じ状態では改善の手立ての質は全然違います。

 

具体的な経験をし、経験を詳察し、詳察から抽象的な概念を学び、学びから得た教訓から改善を実践する。これをグルグル回しましょう。

学びを加速する手段として教育学でも参考にされているようなので、詳しく知りたい方はコルブの経験学習で調べてみると良いと思います。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/9/98/The_Four_Steps_in_Kolb_Cycle.svg

File:The Four Steps in Kolb Cycle.svg - Wikipedia

 

ポイント③ ときには大前提からの改善が必要かも

早く結果が欲しいときは、多くの試行錯誤の末に得たい結果を獲得したりしますよね。

 

直線上に成長すれば解決できる課題なら良いですが、たまに大前提から間違っていてずーっと解決できない課題にハマることがあると思います。

しかも、ハマっていること自体に気づけないことも多々あります。

 

対処療法的に課題解決するのではなく、根本から見直すことで二度と同じ課題に悩まされないようにすることも時には必要。

この考えを広めた考えがあるので、詳しく知りたい方はダブルループ学習で調べてみると良いと思います。

7-2. Double loop learning.

7-2. Double loop learning. | Illustration from Planning for … | Flickr

 

結論 ふりかえりはオススメ

多くの人は経験したことほど理解できるし、経験したからこそ改善する手立てを考えられるし、ときには大前提からの改善が必要かもしれません。

限りある人生の中でせっかく経験できたことは味わい尽くしましょう ✌️

 

その方法が「ふりかえり」!

 

ふりかえりの基本

個人でふりかえりする場合

1人でふりかえりするなら、流れは5つ。

  1. 考えたいテーマや意見を挙げる
  2. 関連する具体的な経験を思い出す
  3. その経験でよかったことや悪かったことを挙げる
  4. 挙げた事柄から抽象的な概念を学び取る
  5. 今後を改善するための手立てを実行(もしくは計画)する

例えば、

  1. やりたいことができない
  2. 予定があったが残業で行けなかった
  3. よかったことは、仕事が片付いたこと
    悪かったことは、予定をすっぽかしたこと
  4. 予定があるのに仕事が残っていたのはなぜ?
    →いきなり急ぎの仕事を振られ、思うより早く処理できなかった
     →仕事を振られやすい状態だった
     →いらだちから仕事に集中しきれなかった
  5. 1つ、予定があるときは周囲に宣言して、振られにくくする
    2つ、イライラしているときは一呼吸置いて、落ち着いてから手をつける

ちなみに、

深掘りが必要な重要なふりかえりであれば、経験を思い出したあとに下の2つもやってみると良いと思います。

  • テーマや経験を思い出した時の感情を羅列する(例えば、悲しみ、苛立ち)
  • 経験や感情から考えうる自分の価値観を発見する(例えば、責任、自由)

価値観は色んな種類があるので、「価値観の一覧」で調べてみると参考になるかもしれません。

 

チームでふりかえりする場合 

チームでふりかえりするなら、流れは5つ。

  1. 場を設定する
  2. データを収集する
  3. イデアを出す
  4. 何をすべきかを決定する
  5. 場を締める

 

2人以上になるとお互いの認識の違いが議論の障害となりがちです。経験も価値観も多様な環境であるからこそ、進め方には気をつけましょう。

ここからは5つの流れそれぞれについて、なぜするのか(WHY)とどうやるのか(HOW)を押さえていきます。

 

場を設定する
  • WHY
    ただ集まっただけじゃ意見は出づらいし、実のあるアイデアは得られないから
  • HOW
    集まってくれたことに感謝を伝えること
    心理的安全性を確保すること。アイスブレイクもGood
    場を説明すること。集まった目的、これからやること、参加者への期待、など

データを収集する
  • WHY
    認識も価値観も大抵は人それぞれだから、個別の記憶力や意識に頼らず具体的な経験を思い出すため
  • HOW
    定量的でも定性的でも、準備できるデータは全員が見れる状態にすること

イデアを出す
  • WHY
    対処療法的なアイデアではなく、根本原因に効くコスパがよいアイデアを出すため
  • HOW
    なにかしらルールや手法、条件を伝え、適宜深掘りすること
    ※例えば、KPTやなぜなぜ分析を取り入れたり

何をすべきかを決定する
  • WHY
    時間は有限だから、もっとも重要なことから解決する手立てを実行しよう
  • HOW
    投票式やアイデアが重複しているとこ、共通原因となるとこを見つけること
    時間内でみんなが納得できる手立てを決め、実際に実行すること

場を締める
  • WHY
    集まることの意味や意義を感じてもらうため
    ふりかえり自体をよくするため
  • HOW
    集まり、議論し、何かしらアウトプットを出したり約束したことに感謝すること
    ふりかえりのふりかえりで、ふりかえり自体も改善すること

 

手法の紹介

ここからは、ふりかえりに使われるいくつかの手法を簡単に紹介します。

詳しくはぐぐってみてくださいね。

 

KPT

ふりかえりで特に有名な手法がKPT

  1. よかったこと、継続したいこと(Keep)
  2. よくなかったこと、改善したいこと(Problem)
  3. 次に試してみること(Try)

を付箋紙で出し合ったり、紙やパソコンで書き出したりする手法。

 

KeepとProblemはそれぞれ数分で考えをまとめ、他の人に説明する。

それぞれグルーピングが深掘りを経て、重要箇所に対してTryを議論していく。

 

下記3つの良い特徴を持ちつつ、シンプルな仕組みなので改造がしやすいです。 

  • 人ではなく書き出された問題に集中できる点
  • 全員が公平にアイデアを説明する時間がある点
  • ルールが少ないので簡単に取り組める点

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KPT-Sample
タイムライン

時間はかかりますが、深掘りするのにオススメなのはタイムライン。

  1. 時系列上に起こった事実や経験
  2. 事実や経験をとおして変化したモチベーショングラフ
  3. それぞれのタイミングで気付いたこと学んだこと

の3つを書き出し、課題を発見する手法。

時間がかかるしやることも多いので、ここぞというときに使うと良いと思います。

 

流れは4つ。

  1. ふりかえりの対象期間、なるべく具体的にあったことを書き出す
  2. その下に一人ひとりモチベーショングラフを書き出す
  3. そのさらに下に一人ひとり気づいたこと学んだことを書き出す
  4. できあがったタイムラインから改善の手立てを議論する

詳しいやり方はぐぐってみてくださいね。

 

なぜなぜ分析

5Whysなんて呼び方からもわかるとおり、経験や事実に対してなぜ起きたのか、例えば「なぜ良かったのか、なぜわるかったのか、なぜそうしたのか」など、原因をたどる手法。

根本原因の発見や、改善の手立ての深掘りにも使えますよ。

 

5回も繰り返すのは大変だし聞かれる側への圧も高いとは思いますが、せめて1回は深掘りしたほうが良いと思います。

思いつき(ジャストアイデア)が洗練されますからね。

 

おわりに

 

ここまでをふりかえってみて

ふりかえりをやる意義や意味、やり方を紹介してみましたが、いかがでしたか?

 

私としてはオススメしますが、合う合わないもあるので使うか否かはあなた次第です。

この記事の紹介だけだと分かりづらい部分もあるでしょうし、参考にしてもらえるだけでありがたいです。

 

意識せずとも内省してる方、もっとすごいふりかえりを実践してる方、ふりかえりせずガンガン進むタイプの方、みんな違ってみんな良い。

 

ふりかえりは仕事でもプライベートでも使えます。

私なんかは公私混同して一緒くたにふりかえりしてますから。

 

プライベートももちろん大事ですが、40年以上あると言われる仕事人生ですから、一緒に考えて改善したいと思います。

公私混同して両方上手くいくように考えないと勿体無いです。

公私別々にふりかえりすると労力が2倍になるという弊害も解消されますし 😅

 

日々をふりかえってみて

ずっと挑戦し続けたり熱狂したりも良いですが、ずーっとは辛くないですか?

たまには立ち止まって、過去から学び、今を超えるために何かしら変化をつけても良いと思います。

 

人は習慣の生き物ですから、走り続けるだけだと同じことの繰り返しになりがち。

世の中変化が激しいから、たまにはふりかえりで立ち止まる習慣も組み込んでみましょう。

そうすればよりよい人生が過ごせる(かも)!

と思って、ふりかえりを紹介してみました。

 

それじゃ、みなさんも良い人生を!(あと、良いふりかえりライフを!)